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レイルウェイ・ライター 『急行列車の話』

第5回 「風変わりな季節急行〈立山〉」

 上越新幹線開業と同時に行われたダイヤ改正で、全国的に急行が激減し、大阪−富山間で親しまれてきた急行〈立山〉も、三往復が夜行一往復だけ、それも旅行シーズンの週末と祭日運転の季節列車になってしまった。特急全盛の時代に、季節運転とはいえ急行で残ったのはめっけものだが、300キロ足らずの距離なので遠慮したのかもしれない。

 しかも、この夜行急行は、きわめて面白い編成なのだ。時刻表には6501M・6502Mとあり、列車番号にMのつくのは電車。そこへ電車寝台とグリーン車、普通車指定席のマークがつき、「自由席4両」の注もみえる。

 電車寝台に急行用の編成はなく、583系特急用車両をあてていることが分かる。583系は、国鉄の増発が需要増に追いつかなかった1967年(昭42)に、昼は座席、夜は寝台として使えるように開発された編成の量産タイプで、たえず走り続けるから基地のスペースもあまり広げなくて済むとPRされた。

 当時としては、なかなか立派な特急型だったが、夜行客が減り、二段寝台が投入されると、働ける線区が少なくなり、まだ十分使えるのに、留置線に捨ておかれる仲間がめだってきた。そこで急行転用になったわけだ。

 ところが日ごろは全車寝台にするほどのお客は見込めず、多客期には自由席を設けておいたほうが大勢乗せることができるとあって、三両だけをB寝台にセットし、後は座席のままとした。なかなか柔軟な考え方と思う。食堂車もあるが営業は休止。

 座席に乗って、自分でベッドを組み立てて寝れば安上がりというヤングがいたけれど、寝台券を買ったお客とのバランス上、車掌が認めないだろう。

(レイルウェイ・ライター・種村直樹/1983.1.9「毎日グラフ『きしゃ』」より)


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